吉旦日記

きったんの日記

ぼくの七日間闘病記〜新型コロナウイルス感染症だったのかわからないまま終わる〜

これは僕が約7日間に渡って原因不明の高熱に苦しめられた闘病の記憶を淡々と書いただけの記事です。

布団で寝込む

4月10日、金曜日の夜のことでした。

画像が見にくいですが37.6度の発熱でした。ここから翌11日のお昼頃に40℃まで熱が上がり、平熱に戻るまで7日間も熱が下がらないという状態が続くのでした。

とにかく、今の時期の発熱は新型コロナウイルスを疑ってかかる必要があります。自宅から出ないことも必要ですが、家族にうつさないことが最重要です。そこで、普段は洗濯物を干すために使っている半分物置になっている部屋を急遽あけて布団を持ち込み、隔離スペースを作りました。

この日からは、基本はトイレとシャワー以外はこの部屋から出ず、食事は部屋に運んでもらい、部屋から出るときはアルコールで手足を消毒してマスクをつけ、必要最低限のところ以外には触らないという生活でした。なお、僕が触ったところはすべて都度、嫁ちゃんが消毒していました。

4月11日土曜日の朝、まだ38℃くらいの状態だった僕はとりあえず病院に行くことにしました。僕が風邪などのときによく行く近所のクリニックでした。クリニックに着くといつもより空いている感じがしました。外出自粛の影響で地域のクリニックでは患者数が減っているところもあるのかもしれません。

その時点では、熱の他、喉の痛み、頭痛、咳、といったいわゆる風邪の症状が出ていて、お医者さんも「風邪っぽい」といいつつ「今の時期だから(コロナの肺炎症状がないか)レントゲンだけでも撮っておきましょうか」と言われました。結果レントゲンは何もなし、薬局で処方された薬をもらい、僕は(普通の風邪ですぐに治ってくれればいいな)と思いながら帰宅したのでした。

ところが、家についてしばらくすると熱が上がり始め、お昼には40℃の高熱になり、(これは普通の風邪ではないのではないか?)と思ったものの、すでに病院は閉まっているいる時間。仕方がないのでもらった薬を飲み、様子を見ることにしました。この日は39℃以下に下がることはなくしばらく高熱が続くことになりました。

翌12日の日曜日もできることはなく、熱も39℃台の状態が続くなか、時間が過ぎるのをひたすら耐えていました。

4月13日月曜日、週が明け、社会が動き出す日となりました。ここで僕は初めて会社に現状の連絡をすることになりました。報告を受けた上司はすでにこの時点で金曜日から4日間発熱が続いていることから「新型コロナウイルス感染症の疑いあり」と認識したようでした。

その後、土曜日に行ったクリニックに改めて行くことにしました。受付で「前回のあと40℃まで熱が上がり、高熱が続いている」と伝えると、なにかヤバいと思ったのか、裏で相談が始まり、「隔離専用のスペースがないので」ということでCTの置かれた部屋に通されました。

ここでしばらく待っていると、お医者さんが来て、心音の確認と機械で人差し指を挟んで血中酸素濃度を測るというのをやっていました。結果、前回のレントゲンと合わせて新型コロナウイルス感染症の兆候はないということでした。

それから、高熱が出るのはインフルエンザの可能性もあるということでインフルエンザの検査を実施しましたが、こちらは陰性でインフルエンザではありませんでした。

けっきょく、原因は何か?ということはよくわからないまま、「お薬増やしますから、自宅で様子を見てください」と言われて、薬局で新しい薬をもらって帰ったのでした。

しかし、この新しい薬を飲んだところ、体質に合わなかったらしく、嘔吐してしまい、これも服用中止ということになってしまいました。

4月14日火曜日、この日は朝からなんと平熱まで熱が下がったのです!しかし、それも束の間のことでした。どうやら、昨日処方されて、その後、服用中止になった薬が解熱作用があったらしく、薬の効果で一時的に熱が下がっていただけだったようです。お昼頃には熱が上がりはじめ、まったくの糠喜びでした。

この頃から会社から「原因はなんとかわからないのか?」「PCR検査は受けられないのか?」と連絡と言うべきか指示と言うべきか、電話が入るようになりました。まぁ、会社としても社内で新型コロナウイルス感染症が出たとなればそれなりに対応が必要ですし、わからないというのが一番困るのでしょうけどね。

そこで保健所のコールセンターに相談してみると「まずは病院で検査を受けてもらって、新型コロナウイルス感染症の疑いがあれば紹介状を書いてもらって、もっと大きな専門病院で検査して、CTなどで異常があるとなるとPCR検査の対象になります。ただ、その場合でも、今自力で病院まで歩いて行ける程度の体力がある場合は、重篤な患者さん優先で検査してるので順番が回ってくるかどうかは。。。」という回答でした。

なるほど!つまり軽症者に関してはPCR検査はやらない、原因が新型コロナウイルスかどうかは調べない(リソース的にできないってことなんだろうけど)ってことなんですな!

とはいえこのままでは会社もうるさいし、僕も心配なので再度クリニックに行って、CTだけでも撮ってもらうように頼むことにしました。しかし、クリニックのお医者さんとしてはCTは不要と考えていたらしく、「そんな必要ないと思うよ」と言われながらも、とりあえずCTを撮影してくれました。結果、特になんの異常もないということでとりあえずこの時点でクリニックできる検査はやりきったのでした。

しかし、会社は納得しません、さらに、家族、というか嫁ちゃんも「すでに発熱5日目で未だに光熱が下がらないのに原因不明ってのはおかしいんじゃないか」と言い出し、再度クリニックにお願いして、今度は総合病院で検査を受けられるように紹介状を書いてもらったのです。とはいえ時刻はこの時点で17時に近くなっており、総合病院に行くのは翌日ということになりました。

4月15日水曜日、症状は変わらず、39℃台の熱が続いていました。

総合病院に行くとクリニックとは全く違った戦場のような雰囲気が漂っていました。発熱者専用の受付に行くと一人づつ仕切られた待合スペースに通され、そこでこれまでの経緯や症状の聞き取りを受けるのですが、とにかくスタッフ全員がバタバタしているらしく、早口で要点を手早く聞いていく感じです。

その後、廊下に作られたスペースでお医者さんと問診になるのですが、お医者さんとの距離が遠い、感染を防ぐための処置なんでしょうけど4メートルくらい離れているんですね。そこからこれまで経緯や現在までの症状から、とりあえず再度CTと血液検査をやりましょうということになりました。

それから、クリニックにあったものより2周りくらい大きな機械で胸の画像を撮られ、血液検査を受けたのですが、いずれも肺炎の兆候も新型コロナウイルスの特徴もなしという結果でした。

お医者さんは「これ以上詳しいことはPCR検査をやってみないことにはわからないけど、現状、PCR検査は検査数も限られていてほとんど受けられないから、これ以上のことはわかりません」と。。。まぁ、今の検査体制ではそれしか言いようがないのでしょうね。

さらに「もし不安であれば入院するっていう方法もあるけど、どうしますか?」といわれました。つづけて「ただ、今だとPCR検査待ちで、ほぼ間違いなく新型コロナウイルスに感染している患者さんたちと同室になるから、もし、感染していなかった場合は改めて感染する可能性が高いけど」って、「いや、それは本当に最後の手段に覚えておきます。今はなしで」ということでさすがに断りました。

とりあえず、総合病院に行っても新型コロナウイルスかどうかは不明のままでした。

4月16日木曜日。発熱からちょうど1週間経った日のこと。この日のお昼くらいから熱が少しずつ下がりはじめました。どうやら自然と回復に向かっているようでした。そして、ついにその日の20時ころ平熱まで熱が下がり、今度こそ高熱に打ち勝ったのでした。

こうして、僕の7日間の闘病生活はとりあえずの結末を迎えたものの、けっきょく、その原因はわからないままでなんともスッキリとしないのでした。とりあえず原因がわからないこともあるし、ということでこの記事を書いている今も自宅内での隔離生活を続けているのでした。